上尾市の台風19号対応批判は誤解

上尾市の台風19号対応について、12月17日のテレ玉Web版で上尾市の対応が批判されています。しかし大きな誤解があります。
記事を要約すると、「市は10月12日午後3時に災害対策本部を設置し、避難勧告を発令して、小中学校などの避難所30か所に、最大で391世帯999人が避難した。台風が通過した13日の午前0時に災害対策本部を解散。さらに、午前8時半に各避難所から住民がいなくなったという報告を受け、すべての避難所を閉鎖し、県には避難者ゼロと報告し、午後1時にはすべての職員が帰宅した。 しかし、自宅の様子を見るために避難所から一時帰宅した住民の中に、浸水の被害で行き場をなくした方がたくさんいたため、平方地区上宿区にある公民館などが市に連絡し、独自の判断で開放した。公民館の職員は26日まで対応に追われた。」 これは大きな誤解のある記事です。私が把握している情報によれば、市は第1回緊急対策会議を12日12時に開催しましたが、市指定避難所はこれに先立ち12日10時に6か所を開設済みでした。上宿公民館は市指定避難所ではないが、地元防災会と市が連絡を取って12日朝から早々に臨時避難所を作っていたとのことで、13日になってあわてて設営したのではありません。閉鎖は10月26日です。平方支所の避難所を閉じるときにも、平方公民館や南集落センターに入れるよう地元防災会とも連絡・確認し、避難者の方の了解もいただいて手配したそうで、行き場をなくした方はいなかったそうです。 ちょうど今年は市防災訓練の総花的なやり方を改め、平方を重点地区として実戦的に行ったこともあり、あるていど適切な対応ができたのではないかと思います。もちろん反省点は多々ありますが、避難所設営は市としても初めてですから、よくやったといえるでしょう。誤解に基づく記事は残念です。 なお今後のために台風19号による上尾市被害の概要を以下にまとめてご紹介します。 雨量はそれほどでもなかったようですが、大きな被害となりました。特に開平橋付近は堤防がない地形で、特別な対応が必要でしょう。また風害による全壊が1戸あります。風は12日の夜間が最大でしたが、風雨の強い時の避難所への避難はかなり危険性があります。家屋流失の恐れがない場合は、私は基本的に垂直避難を推奨したいと思います。 ◆被害状況のまとめ ※ 2019年12月10日 (火) 「市自主防災連合会連絡協議会」 への報告資料による 1. 雨量 連続雨量 192.0 mm 10/11 (金) 0.00~ 10/13 (日) 0.00 (2日間) 最大時間雨量 25.0 mm 10/12 (土) 10.00~11.00 最大10分間雨量 6.0 mm 10/12 (土) 9.30~ 9.40 10/12 (土) 21.00~21.10 2.風速 最大瞬間風速 31.3m 10/12 (土) 22.00~23.00 平均風速 12.0m 同上 3.被害 (1) 道路冠水 43件、うち通行止め 33件 江川・逆川沿い : 藤浪、領家 (工業団地周辺) 荒川沿い : 大字平方 (リバーサイドフェニックス・
川岸屋付近、丸山公園南側、橘高校西側、
開平橋付近、開平橋~リハセン前道路) 芝川沿い : 鎌倉橋、西長橋、舟橋、新橋、日の出橋、
日宮橋、農協橋 原市沼川沿い : 沼橋、境橋、中通橋、平塚橋、柳津橋 (2) 住家・非住家被害 床上浸水 46件、床下浸水 12 件、風害27件 (平方上宿、平方
南区、領家工業団地等) ➀ 住家被害 全壊 大規模半壊 半壊 一部損壊 合計 床上浸水 7 8 16 2 33 床下浸水 - - - 8 8 風害 1 - - 23 24 合計 8 8 16 33 65 ② 非住家被害 合計 (被害認定調査は住家対象であり、
非住家の判定はしない) 床上浸水 13 床下浸水 4 風害 3 合計 20 (3)を番号抜かしか? (4) 倒木 15件 (東町小、平方北小、鴨川小、大谷中、
今泉小、瓦葺公園、花咲の丘、第二団地) (5) 車両水没 3件・4台 (藤波、平方、上尾下) (6) 人命救助事案 19名 (平方他 開平橋付近) ※うち2名は防災航空隊によるヘリ救助 (6) 人的被害 1件 (上尾市住民でない方の遺体が荒川に
そそぐ用水路で発見) 4. 災害対応 以下は省略します。