上尾市防災士協議会 (ABA)
避難先・避難のしかた
A. 水平避難
水平避難 (立ち退き避難)
指定避難所、親せき・友人宅への 水平避難 (立ち退き避難) は
早めに・明るいうちに
●家屋倒壊危険地域にあるお宅、または
●予想浸水深が3mかそれ以上、または
●予想浸水深が 0.5~3mでも高齢者・災害
弱者のいらっしゃるお宅
の場合は、ぜひ 水平避難 (立ち退き避難) を選択しましょう。
◆避難のしかたと避難完了までのタイムラインを作成しましょう。そのために、道路冠水などがない安全なルートと、避難に必要な時間を、実際に歩いたりして調べておきましょう。
◆自宅以外の避難場所への水平避難は浸水が
始まる前、明るいうちに行うことが基本です。
徒歩では、道路が冠水すると成人男性でも水位30~50cm以上で歩行困難となります。またマンホールのふたが外れていたり、側溝が見えなくなるなどのため非常に危険です。
自動車での避難は道路冠水でエンジンが停止したり、水圧で扉が開かなくなったり、川と道路が見分けにくくなったりして、事故にあう可能性が高くなります。クルマは早期避難専用にしましょう。
「避難勧告・高齢者等避難開始」情報が発令されると、指定避難所が開設されます。ためらわず避難を始めましょう。
-ABA 防災マニュアル 2023 p29 -
(遭難事例) 2009年8月、台風9号で発生した兵庫県佐用町水害では、佐用川支流の幕山川沿いの町営団地に住む3家族11人が、夜8時過ぎに豪雨の中を小学校に避難しようとして遭難しました (8人死亡、1人不明) 。
水平避難のポイント
◆車を使うなら早期避難に
自動車での避難は遠方の避難所や親せき・友人宅などへの早期の水平避難に限り、それ以外はなるべく控えましょう。
冠水した道路やアンダーパスを走行する場合、安全に走れるのは「水面がタイヤの高さの半分以下」の水深まで。水面が車の底面に達するほどの水深が限界だと考えられ、エンストや側溝に落ちるなどの恐れがあります。
やむをえない場合でも、水深が確認できない場所には進入しないようにしましょう。
急用があって高速で突っ切ろうとするのは、かえって吸気口に水が入る危険があります。低速度・エンジン高回転 (低ギアで低速) にするのが吸排気口への水の侵入を防ぐのに効果があるそうです。
◆普段から、避難所への安全なルートと避難
に必要な時間を調べておきましょう。
◆いざ避難するときは、
* 1本のロープにつかまるなど、はぐれないよう
にし、集団でまとまって避難しましょう。
* 両手が自由になるよう、非常用品等はリュック
に入れます。
* 傘や長い棒などをつえ代わりにして、冠水箇所
や濁水の中を確認しながら進みます。
* 避難時の身なりは、ヘルメット、手袋、雨具、
長袖・長ズボンで。
* 靴は運動靴・スニーカーなどを履きます。長靴
は水が入ると脱げやすい。
* 懐中電灯、ラジオを持つ。
◆ 隣近所に声を掛けましょう。要援護者がいれ
ばできるだけ支援しましょう。
◆土のうの配置、高額機器を2階へ運ぶなど、
被害を最小限にとどめるの措置を。
◆台風の場合は暴風対策をしましょう。
◆最後に、ガスの元栓を閉め、電気のブレー
カーを落とし、戸締りを忘れずに。