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マイ・タイムラインについて

  -ABA 防災マニュアル 2021  p32 -

 

◆市民ひとりひとりの水害対策スケジュールを 

「マイ・タイムライン」 は平成27年9月関東・東北豪雨における避難の遅れや避難者の孤立の発生を受けて、国、県、鬼怒川・小貝川沿川市町で構成される「鬼怒川・小貝川下流域大規模氾濫に関する減災対策協議会」が検討を重ねて作成したものです。

 台風の接近や洪水が予想される場合に、市民一人一人が望ましい防災行動を時系列的に整理し、自ら避難行動スケジュールを作成します。時間的な制約が厳しい洪水発生時に避難行動のサポートツールとして活用されることで、「逃げ遅れゼロ」 に向けた効果が期待されています。

「タイムライン」 とは 

元々のタイムラインは、行政各部門が行なうべき時系列の台風・洪水対策計画です。

 この考え方の発端は、2005年8月に起きたアメリカ南部でのハリケーン・カトリーナによる大規模浸水害といわれています。堤防が決壊しニューオーリンズ市の大半が水没するなど、全体で1800人以上が犠牲になり、第二次世界大戦後のアメリカ最大の自然災害となりました。

 2006年2月にホワイトハウスから政府対応を検証した報告書が発表され、災害の発生を前提にした防災行動計画 「タイムライン」 を事前に策定しておくことが必要ではないかという認識が広がりました。

 そして 2012年にアメリカ東部で甚大な被害が生じたハリケーン・サンディの際に、ニュージャージー州が住民避難対策に 「タイムライン」 を適用して被害を最小限にとどめたことが注目され、日本でも2016年に国土交通省が指針をまとめるなど、活用が進んできました。

◆ マイ・タイムライン作成にあたって

作成に当たっては、まず上尾市ハザードマップWeb版でご自宅の予想浸水深や倒壊危険度など危険度を確認しましょう。

「マイ・タイムライン」 は全国各地で活用と工夫が行われていますが、基本的には 「台風の上陸や堤防の決壊などの災害発生想定時刻をゼロアワー (基準点) として設定し、時系列の避難行動計画を策定する ことが共通の特徴です。これは元々の、行政サイドの 「タイムライン」 の性格を引き継いでいるものと思われます。

 しかし、専門家や行政でも難しい堤防決壊や災害発生の時間・場所 (基準点) 判断を、一般市民が行うのはたいへん困難です。市民にその判断を求めるのではなく、地元市町村が発する避難情報、特に「避難準備・高齢者等避難開始」 情報の発令時を基準とするのが良いのではないでしょうか。(一般的には、この情報の発令により指定避難所が開設されることになります。)

そうした形で市民一人ひとりがマイ・タイムラインの作成を考えていければ素晴らしいと思います。

(ご参考)

「マイ・タイムライン」 は、「みんなでタイムライン」、「みんなでタイムラインプロジェクト」、「逃げキッド」などのツールとともに、国土交通省関東地方整備局により商標登録されています。

「使用にあたって、事前の申請などは求めませんが、マイ・タイムラインの取組の普及・促進を目的としてご使用ください。」 とのことです。(ただし 「逃げキッド」 の画像の改変はできません。)

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