土石流災害 2件の違い
上尾市には急傾斜地崩壊危険箇所が8カ所ありますが、土石流危険渓流と地すべり危険箇所はゼロです。しかし、2018年7月西日本水害を見ると、事前避難がいかに大切かが分かります。
広島県東広島市の黒瀬町洋国団地では8月6日朝から豪雨になり、危険を感じた人は早くも6日の朝8時から避難所に向いました。自治会では3年前から年2回の避難訓練を実施してきたそうです。土石流が発生したのは翌7日午前5時半頃で、10戸が大破し他の10戸にも土砂が流れ込みました。しかし事前避難と垂直避難で、一人の死者もけが人さえも出なかったそうです。(朝日新聞 7/18)
一方、広島市安芸区矢野東7丁目の梅河(うめごう)団地では、豪雨に見舞われた6日夜、約60棟の民家のうち約20棟が土砂にのまれ、倒壊しました。この団地では何度も市に要請し、幅26メートル、高さ8メートルの治山ダムが今年2月に完成したばかりでした。
この土石流で高校生の孫を亡くした神原常雄さんは、ダムを要望したリーダーでしたが、災害発生後に、「いくら役所の人に『安心しちゃいけん』と念押しされてもね、やっぱりダムができてうれしかったし、安心してしまったんよ」 と語ったそうです。山の斜面に近い別の家に住むお孫さん一家が心配になって避難を促す電話の最中に、土石流が襲ったのです。もう少し早く電話していれば助けられたかも、というおじいちゃんの言葉は涙なくして聞くことはできません。(朝日新聞 7/15)
まったく、自然災害は非情です。私たちは少しでも身を守るためになすべきことを考え、行動しなければなりません。