真備町の教訓
倉敷市真備町の大水害で50人もの方々が亡くなられたことについてはいろいろな反省があると思います。自分で自分や家族の身を守るためにどうしたらいいのか。私も自分なりに時系列の表を作り、参考にすべきことをまとめてみました。
① 市民の情報感度
大雨や洪水警戒の情報は提供されており、現実に豪雨が降っていた。しかし情報はたくさんあっても、その情報に対する市民の感度が低いことが問題だと思う。伝え方の問題もありますが。ハザードマップを知らなかった、というのは自慢にならないと思います。もちろん伝え方の問題もありますが。
② 情報共有体制
真備町服部地区では、避難指示発令の5時間半も前の午後8時頃に川の氾濫の可能性を把握したという。そうした危険情報の共有と対応体制があれば、被害は軽減できたはず。
③ 隣近所の声かけが大切
真備町服部地区では、避難勧告より前の午後8時頃と、 勧告後の午後10時過ぎから近隣に避難を呼びかけて回り、被害者を出さなかった。
小田川の北側に住むあるご夫婦は、翌早朝にご近所の人が危険を知らせてくれたので、なんとか男性だけ助かった。
④早期避難が有効
真備町川辺の3階建ての老人ホーム 「シルバーマンションひまわり」 では避難勧告後で避難指示より前の午後10時半すぎに、系列施設の入居者を大急ぎで収容したという。
⑤ 早期避難に災害時要援護者リストの活用
⑥ 垂直避難もかなり有効
老人施設の3階に関連施設や近隣の人150人が避難し助かったと報じられています。平屋建てならお隣の2階、という手もある。
約4.8mの浸水でも、2階で助かった事例があります。
⑦ 豪雨時にスピーカーでは聞えない
真夜中の避難指示でサイレンや防災無線を使ったというが、雨戸や
激しい雨音で、聞こえない。他に良い手段があるかどうか。
⑧ 機器の配置位置の問題
⑨ 地盤の高さに問題があったのではないか
まび記念病院では、夜が明けた午前7時頃に浸水が始まり、1mのところにあった受電設備や飲料水は冠水。
そして午後6時頃、浸水深が1階の床から3.3mとなり、自家発電設備も冠水、停電で病院機能を喪失しました。
病院の立地地点は予想浸水深 5m以上 のエリアで、地域の拠点病院であれば地盤のかさ上げなどは当然されていなければならないと思いました。
(避難を呼びかけていた女性職員が犠牲になった3階建ての南三陸町防災対策庁舎は、驚いたことに地域で最も低い場所に建てられていたということです。それに似た、無計画な事案と思います。)